【臨床医学各論】全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。
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【問題】臨床医学各論
全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。
1 関節変形がみられる。
2 高齢女性に発症頻度が高い。
3 血清補体価上昇を認める。
4 白血球数減少がみられる。
【解答】
×1 関節変形がみられる。
×2 高齢女性に発症頻度が高い。
×3 血清補体価上昇を認める。
○4 白血球数減少がみられる。
【解説】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体が作られてしまうために、全身の諸臓器が侵されてしまう疾患である。よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過する。20〜30代の女性に多い。(男女比は1対10)多くの臓器が侵されるため臨床所見も多彩で、関節症状、皮疹(蝶形紅斑、円板状紅斑、中枢神経病変、腎障害、心肺病変、血液異常などがみられる。とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなる。
全身の症状として、発熱、全身倦怠感、易疲労感、食欲不振、体重減少などがみられる。
皮膚・粘膜の症状では蝶型紅斑が特徴的。また、顔面、耳、首のまわりなどにできる円形の紅斑で、中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹もみられる。SLEでは日光過敏を認めることが多く、強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともある。また、手のひら、手指、足の裏などにできるしもやけのような発疹も特有な症状である。その他、大量の脱毛や、口腔内や鼻咽腔に痛みのない浅い潰瘍ができたりする。 関節の症状はとくに、関節炎で発病する場合には、手指にはれや痛みがあるために関節リウマチと間違えられることもあるが、SLEでは関節リウマチと異なって骨の破壊を伴うことはほとんどない。
臓器の症状は腎症状としては、急性期に蛋白尿がみられ、尿沈渣では赤血球、白血球、円柱などが多数出現するのが特徴である。(テレスコープ沈渣)。糸球体腎炎(ループス腎炎)と呼ばれる腎臓の障害は約半数に現れ、放っておくと重篤となり、ネフローゼ症候群や腎不全に進行して透析が必要になったり、命にかかわったりすることがある。心臓や肺では、漿膜炎(心外膜炎や胸膜炎)の合併が約20%に起こる。間質性肺炎、肺胞出血、肺高血圧症は頻度としては低いが、難治性である。腹痛や吐き気がみられる場合には、腸間膜の血管炎やループス腹膜炎、ループス膀胱炎に注意が必要。中枢神経症状(CNSループス)もSLEの重篤な症状である。多彩な精神神経症状がみられるが、なかでも、うつ状態・失見当識・妄想などの精神症状とけいれん、脳血管障害が多くみられる。その他、貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられる。また、抗リン脂質抗体という抗体がある場合は、習慣性流早産、血栓症、血小板減少に基づく出血症状などの症状を伴い、抗リン脂質抗体症候群と呼ばれている。
【引用URL】
https://health.goo.ne.jp/medical/10T10100
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【問題】臨床医学各論
全身性エリテマトーデスについて正しいのはどれか。
1 関節変形がみられる。
2 高齢女性に発症頻度が高い。
3 血清補体価上昇を認める。
4 白血球数減少がみられる。
【解答】
×1 関節変形がみられる。
×2 高齢女性に発症頻度が高い。
×3 血清補体価上昇を認める。
○4 白血球数減少がみられる。
【解説】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体が作られてしまうために、全身の諸臓器が侵されてしまう疾患である。よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過する。20〜30代の女性に多い。(男女比は1対10)多くの臓器が侵されるため臨床所見も多彩で、関節症状、皮疹(蝶形紅斑、円板状紅斑、中枢神経病変、腎障害、心肺病変、血液異常などがみられる。とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなる。
全身の症状として、発熱、全身倦怠感、易疲労感、食欲不振、体重減少などがみられる。
皮膚・粘膜の症状では蝶型紅斑が特徴的。また、顔面、耳、首のまわりなどにできる円形の紅斑で、中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹もみられる。SLEでは日光過敏を認めることが多く、強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともある。また、手のひら、手指、足の裏などにできるしもやけのような発疹も特有な症状である。その他、大量の脱毛や、口腔内や鼻咽腔に痛みのない浅い潰瘍ができたりする。 関節の症状はとくに、関節炎で発病する場合には、手指にはれや痛みがあるために関節リウマチと間違えられることもあるが、SLEでは関節リウマチと異なって骨の破壊を伴うことはほとんどない。
臓器の症状は腎症状としては、急性期に蛋白尿がみられ、尿沈渣では赤血球、白血球、円柱などが多数出現するのが特徴である。(テレスコープ沈渣)。糸球体腎炎(ループス腎炎)と呼ばれる腎臓の障害は約半数に現れ、放っておくと重篤となり、ネフローゼ症候群や腎不全に進行して透析が必要になったり、命にかかわったりすることがある。心臓や肺では、漿膜炎(心外膜炎や胸膜炎)の合併が約20%に起こる。間質性肺炎、肺胞出血、肺高血圧症は頻度としては低いが、難治性である。腹痛や吐き気がみられる場合には、腸間膜の血管炎やループス腹膜炎、ループス膀胱炎に注意が必要。中枢神経症状(CNSループス)もSLEの重篤な症状である。多彩な精神神経症状がみられるが、なかでも、うつ状態・失見当識・妄想などの精神症状とけいれん、脳血管障害が多くみられる。その他、貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられる。また、抗リン脂質抗体という抗体がある場合は、習慣性流早産、血栓症、血小板減少に基づく出血症状などの症状を伴い、抗リン脂質抗体症候群と呼ばれている。
【引用URL】
https://health.goo.ne.jp/medical/10T10100
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