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ノバセルコラム

スポーツトレーナーになるには?王道ルートと現実【前編】

スポーツトレーナーになるには?王道ルートと現実【前編】

スポーツトレーナーになりたい。そう考えたとき、多くの学生がまず気になるのは、
「どんな学校に行けばいいのか」「どの資格を取ればいいのか」「プロチームのトレーナーになるにはどうすればいいのか」といったことではないでしょうか。

スポーツトレーナーは、選手のコンディションを支え、ケガの予防や治療、リハビリ、競技復帰をサポートする仕事です。 一方で、スポーツトレーナーになる道は一つではありません。資格を取れば必ずなれる仕事でもなく、学校を卒業すればすぐに理想の現場に入れるとも限りません。

実際の現場経験者に話を聞くと、スポーツトレーナーになるためには、資格や知識だけでなく、現場経験、人とのつながり、行動力、準備力、そして人として信頼される姿勢が大切だと分かります。

今回は、プロスポーツの現場を経験してきたトレーナーの話をもとに、スポーツトレーナーになるための王道ルートと、現実的に必要なことについて紹介します。

学校選び、資格、現場経験、人とのつながり。どれも大切ですが、それらを活かすために欠かせないのは「まず動くこと」です。

この記事で分かること

  • スポーツトレーナーになる道が一つではない理由
  • 現代の王道ルートと、現場経験の重要性
  • 資格選びや学校選びで大切な考え方
  • 人とのつながりや準備力が必要な理由
  • 学生のうちにやっておきたいこと

スポーツトレーナーになる道は一つではない

スポーツトレーナーになるための道は、決して一つではありません。

鍼灸師、柔道整復師、理学療法士、アスレティックトレーナー、ストレングス&コンディショニング系の資格など、さまざまな学び方があります。

また、最初からプロチームに入る人もいれば、治療院やスポーツ整形、社会人チーム、独立リーグ、学生スポーツの現場などで経験を積んでからトップチームを目指す人もいます。

大切なのは、「スポーツトレーナーになりたい」という思いだけで終わらせず、自分がどのような形で選手を支えたいのかを考えることです。

方向性によって必要な学びは変わる 治療やケアを中心に関わりたいのか。リハビリを専門的に見たいのか。トレーニングや強化に関わりたいのか。チーム全体のコンディション管理に関わりたいのか。
目指す方向によって、必要な資格や経験は変わってきます。

まず考えるべきは「現場で何をしたいか」

スポーツトレーナーを目指すとき、最初に考えたいのは「どの資格を取るか」だけではありません。

それよりも先に、「自分はスポーツ現場で何をしたいのか」を考えることが大切です。

選手の治療をしたいのか。マッサージや鍼などでコンディションを整えたいのか。ケガをした選手のリハビリを支えたいのか。ウォーミングアップやトレーニングを見たいのか。チーム全体のコンディショニングを管理したいのか。

この方向性によって、選ぶべき学校や資格、経験を積む場所は変わります。

方向性ごとの考え方

  • 治療やケアを中心に関わりたいなら、鍼灸師・柔道整復師・理学療法士などの医療系資格が選択肢になる
  • トレーニングや強化に関わりたいなら、AT・CSCS・ストレングス&コンディショニング分野の学びも重要になる
  • 資格を持つことより、その資格を使って何ができるかが現場では問われる

現代の王道ルートは「資格取得+現場経験」

昔は、学生からそのままプロスポーツの現場に入るようなケースもありました。しかし、現在ではそのようなルートはかなり少なくなっています。

今の時代にスポーツトレーナーを目指すなら、王道といえるのは次のような流れです。

現代の王道ルート

  1. 医療系・トレーナー系の学校で学ぶ
  2. 資格取得を目指す
  3. 在学中から治療院や現場で経験を積む
  4. 卒業後、スポーツ整形・治療院・社会人チーム・独立リーグなどで実務経験を積む
  5. 募集、紹介、見学、インターンなどのチャンスをつかむ
  6. プロチームやトップチームの現場へ挑戦する

もちろん、すべての人がこの通りに進むわけではありません。しかし、現場経験がないまま履歴書を出しても、採用につながる可能性は高くありません。

チーム側が見ているのは、資格だけではなく、「実際に選手や患者さんを見てきた経験があるか」「現場で動ける人か」「すぐに使える知識や技術があるか」「チームの中で仕事ができるか」という部分です。

スポーツトレーナーを目指すなら、資格を取ることと同じくらい、現場経験を積むことが重要です。

どの資格を取ればいいのか

スポーツトレーナーを目指す学生の中には、「結局どの資格を取ればいいのか」と悩む人も少なくありません。

しかし、現場経験者の話を聞くと、「この資格が正解」というよりも、まずは身体に触れられる国家資格を持っていることが大切だと言います。

スポーツ現場では、鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士など、選手の身体に直接関わる国家資格を持つトレーナーが活躍しています。

資格によって、それぞれできることは異なりますが、選手の身体に関わる仕事をするうえで大きな強みになります。
そのうえで、自分がスポーツ現場で何をしたいのかによって選ぶ資格を考えていくことが重要です。

鍼灸師

鍼灸師は、鍼や灸を使って体にアプローチできる国家資格です。

スポーツ現場では、筋肉の張りや痛み、コンディション調整などに関わる場面があります。鍼を使ったケアに興味がある人や、将来開業も考えている人にとっては選択肢の一つになります。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧を行う国家資格です。

スポーツ現場では、筋肉の状態を把握しながらコンディション調整や疲労回復のサポートに関わることがあります。現在では鍼灸師や柔道整復師と組み合わせて取得する人もいますが、プロスポーツの現場では長年にわたり「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持つトレーナーが活躍してきました。身体に直接触れて選手のコンディションを支えたい人にとって、選択肢の一つとなる国家資格です。

柔道整復師

柔道整復師は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷など、ケガに関する知識を学ぶ国家資格です。

スポーツ現場では、ケガの評価や応急対応、外傷の理解が求められる場面があります。ケガを見る力を身につけたい人にとっては、スポーツトレーナーの仕事とつながりやすい学びがあります。

理学療法士

理学療法士は、医師の指示のもとでリハビリテーションを行う国家資格です。

スポーツ整形や病院で働くことで、画像所見や医師との連携、手術後のリハビリなどを学ぶことができます。リハビリや競技復帰までの過程に深く関わりたい人に向いている資格です。

AT・CSCSなど

アスレティックトレーナーやCSCSなどは、スポーツ現場やトレーニング分野に関わる資格です。

トレーニング指導、コンディショニング、競技復帰、チームサポートなどに関心がある人にとって、学ぶ価値があります。特に、トレーニングや強化に関わりたい人は、医療系資格だけでなく、ストレングス&コンディショニング分野の学びも視野に入れるとよいでしょう。

資格名だけでなく「何ができるか」が大切

スポーツ現場では、資格名だけで評価されるわけではありません。

もちろん、国家資格や専門資格は大切です。体に関わる仕事をするうえで、基礎知識や安全性を担保する重要な土台になります。

しかし、現場で選手が求めているのは、「この人に見てもらうと体が楽になる」「この人は自分の状態を分かってくれる」「この人なら相談できる」「この人の判断は信頼できる」という実感です。

資格取得はゴールではない 資格を取ることをゴールにするのではなく、その資格を使って何ができるのかを考えることが大切です。

学校選びで見るべきポイント

スポーツトレーナーを目指すなら、学校選びも重要です。同じ資格を目指す学校でも、学校によって特色があります。

学校選びで見たいポイント

  • 3年制の専門学校か、4年制大学か
  • 鍼灸だけでなく、柔整やATも学べるか
  • 鍼灸とあん摩マッサージ指圧師の資格を目指せるか
  • スポーツ現場での実習があるか
  • 卒業生がどのような現場で働いているか
  • スポーツチームや治療院とのつながりがあるか
  • ATやCSCSなどの資格取得をサポートしているか
  • スポーツ整形や医療機関との連携があるか

学費や通学年数も大切ですが、それだけで選ぶのではなく、自分が目指すトレーナー像に近づける環境があるかを確認しましょう。

学校のパンフレットだけでなく、オープンキャンパス、卒業生の進路、先生の現場経験、実習先なども見ておくと参考になります。

学校の勉強は「現場経験」と結びついて活きる

学校での勉強はとても大切です。特に、解剖学、生理学、運動学、整形外科的な知識は、スポーツ現場でも必ず役立ちます。

筋肉がどこについているのか。関節がどのように動くのか。ケガが起こると体にどのような変化が出るのか。どの組織に負担がかかっているのか。こうした基礎がなければ、選手の状態を正しく理解することはできません。

ただし、学校の勉強だけで現場に対応できるわけでもありません。

現場では、教科書通りではない症状や、選手ごとの個性に対応する必要があります。痛みの出方、筋肉の硬さ、関節の動き、疲労のたまり方は、人によって違います。

学校で学んだ知識は、現場で経験したことと結びついて初めて深く理解できます。

学校の勉強は土台です。その土台の上に、実践経験を積み重ねていくことが重要です。

まとめ

スポーツトレーナーになるための道は一つではありません。

鍼灸師、柔道整復師、理学療法士、AT、CSCSなど、さまざまな資格や学び方があります。

大切なのは、「どの資格が一番良いか」を考えることではなく、「自分はスポーツ現場で何をしたいのか」を明確にすることです。

・選手の治療やケアをしたいのか。
・リハビリに関わりたいのか。
・トレーニングやコンディショニングを担当したいのか。

目指す方向によって、必要な資格や学ぶべき環境は変わってきます。

また、学校選びでは資格取得だけでなく、スポーツ現場とのつながりや実習環境、卒業生の進路なども重要なポイントになります。

そして、学校で学ぶ解剖学や生理学などの基礎知識は、将来現場で活躍するための大切な土台です。

まずは自分がどのようなスポーツトレーナーになりたいのかを考え、その目標に合った資格や進路を選ぶことが第一歩になります。

しかし、資格を取得しただけでスポーツ現場に立てるわけではありません。

実際の現場では、資格や知識だけでなく、経験、人とのつながり、行動力、人間性なども求められます。

後編では、スポーツトレーナーとして現場に入るために必要なことや、学生のうちにやっておきたいことについて、現場経験者の視点から詳しく紹介します。

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共同監修

※ 五十音順に掲載しています。

小滝康樹

小滝 康樹

Yasuki Kotaki

トレーナー歴 23年
鍼灸師・柔道整復師

2002年〜2024年 阪神タイガース トレーナー

2002年にトレーナーとして阪神に入団。阪神で23年間トレーナーを務め、2024年に退団。在籍期間中は3度のリーグ優勝と1度の日本一を経験。


野間卓也

野間 卓也

Takuya Noma

トレーナー歴 42年
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・日本スポーツ協会アスレティックトレーナー

1982年〜2024年 オリックス・バファローズ トレーナー

42年間にわたり、阪急ブレーブスからオリックス・バファローズまで、トレーナーとしてチームを支える。在籍期間中は6度のリーグ優勝と2度の日本一を経験。数々の名選手のケアを行ってきた。


弓岡尚幸

弓岡 尚幸

Takayuki Yumioka

トレーナー歴 32年
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師

2001年〜2007年 広島東洋カープ トレーナー

2008年〜2014年 阪神タイガース トレーナー

名門「小守スポーツマッサージ療院」にて、Jリーグ、プロ野球、実業団スポーツなど数多くのトップアスリートをサポート。
2006年には第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表トレーナーとして世界一に貢献し、2008年には北京オリンピックにも帯同。
長年にわたりトップアスリートのコンディショニングと競技力向上を支えてきた。

※ノバセルでは、さまざまな分野で活躍する先生方の経験をもとに、参考になる情報を発信しています。

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