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2026/06/03
スポーツトレーナーってどんな仕事?【後編】
前編では、スポーツトレーナーの仕事内容や現場での役割について紹介しました。
スポーツトレーナーは、ケガをした選手をケアするだけではなく、コンディション管理やケガの予防、チーム内での情報共有など、さまざまな形で選手やチームを支える仕事です。
では、実際にスポーツトレーナーとして現場で活躍するためには、どのような力が必要なのでしょうか。
知識や技術はもちろん大切ですが、それだけで信頼されるトレーナーになれるわけではありません。
現場では、人との関わり方や学び続ける姿勢、選手の変化に気づく観察力なども求められます。
また、スポーツトレーナーを目指す学生の中には、「どの資格を取ればいいのか」「学生のうちに何をしておけばいいのか」と悩んでいる人もいるかもしれません。
後編では、スポーツトレーナーに向いている人の特徴や、学生のうちに身につけておきたいことについて紹介します。
スポーツトレーナーに向いている人
スポーツトレーナーに向いている人として、まず挙げられるのがコミュニケーション能力のある人です。
スポーツ現場は、人と関わる仕事です。選手と話す力、コーチや監督に伝える力、チーム内で相談する力が必要です。
ただし、単によく話す人が向いているという意味ではありません。むしろ、聞く力や空気を読む力がとても大切です。
現場で求められる力
- 選手が本当は何を感じているのかを聞く力
- いつもと表情が違わないかに気づく観察力
- 言葉では大丈夫と言っていても、動きの違和感を見る力
- 守るべきことを守る常識
- 選手が安心して相談できる雰囲気
また、トレーナー室で聞いた話を何でも外に話してしまうようでは、選手から信頼されません。話を聞く力と、守るべきことを守る常識も求められます。
明るさや社交性も大切です。チームにとってプラスになる存在であること。選手が安心して相談できる雰囲気を持っていること。そうした人は、スポーツ現場に向いていると言えるでしょう。
医療系資格を目指す学生の強み
鍼灸師、柔道整復師、理学療法士などを目指す学生にとって、スポーツ現場での大きな強みは、体に関する知識を学べることです。
スポーツトレーナーという言葉は広く使われていますが、選手の体に深く関わる仕事をするためには、専門的な知識や技術が必要です。
医療系資格ごとの強み
- 鍼灸師:鍼を使ったアプローチができることが特徴です。
- 柔道整復師:外傷やケガに関する学びが強みになります。
- 理学療法士:リハビリや医療現場との連携に強みがあります。
一方で、現場では資格名だけで評価されるわけではありません。
大切なのは、その資格を持って、現場で何ができるかです。
選手は、難しい理論を聞きたいのではなく、痛みを何とかしてほしい、動けるようにしてほしい、コンディションを上げてほしいと思っています。
だからこそ、資格を取ることをゴールにするのではなく、その資格を使ってどのように選手を支えたいのかを考えることが大切です。
どの資格を取るかよりも「何をしたいか」を考える
スポーツトレーナーを目指す学生の中には、「鍼灸師がいいのか」「柔道整復師がいいのか」「理学療法士がいいのか」「ATやCSCSも取った方がいいのか」と悩む人もいると思います。
そのときに大切なのは、まず自分が現場で何をしたいのかを考えることです。
自分の目指す役割を考える
- 治療やケアを中心に選手を支えたいのか
- トレーニングや体づくりに関わりたいのか
- リハビリを専門的に見たいのか
- チーム全体のコンディショニングをまとめたいのか
目指す方向によって、学ぶべき資格や経験は変わります。
「スポーツトレーナーになりたい」という言葉だけでは、まだ少し広いです。その中で、自分はどの役割を担いたいのかを考えていくことが大切です。
学生のうちにやっておきたいこと
スポーツトレーナーを目指す学生が、今のうちにやっておきたいことはいくつかあります。
1. 解剖学・生理学をしっかり学ぶ
まず大切なのは、学校で学ぶ基礎科目です。特に、解剖学や生理学はとても重要です。
学生のうちは、国家試験のための勉強に感じるかもしれません。しかし、現場に出ると、体の構造を理解していることの大切さを実感します。
筋肉がどこからどこについているのか。関節がどのように動くのか。肩や肘、膝、足首にどのような負担がかかるのか。
こうした知識は、選手の状態を理解するための土台になります。
2. 実際に人の体を触る経験を積む
知識だけでなく、実際に人の体を触る経験も大切です。
教科書で学んだことを、実際の体で感じる。筋肉の硬さ、左右差、疲労の出方、痛みの出る場所を確認する。
こうした経験を積むことで、現場での対応力が身についていきます。
選手は、理屈だけでなく「この人は上手い」「この人に任せたい」と感覚的に判断することもあります。
だからこそ、学生のうちから実技を大切にすることが重要です。
3. 人脈を作る
スポーツ現場で働くためには、人とのつながりも大切です。
プロチームや競技現場に関わりたいのであれば、その競技に関わる人、選手が通う治療院、現場経験のある先生などと接点を作ることも一つの方法です。
もちろん、ただ知り合いを増やせばよいわけではありません。大切なのは、現場に近い人から学び、情報を得て、自分の行動につなげることです。
強い思いを持って動き続けたことで、実際に目標のチームに関わるようになった例もあります。
4. 競技を知る
スポーツトレーナーは、体の専門家であると同時に、その競技を理解している必要があります。
競技ごとに理解したい動き
- 野球:投球、打撃、守備、走塁の動き
- サッカー:走る、止まる、蹴る、切り返す動き
- 陸上:走行フォーム、疲労の出方、練習量の管理
競技を知らなければ、選手の動きの異変に気づくことは難しくなります。
その競技が好きであること、興味を持って見続けられることも、スポーツトレーナーにとって大切な要素です。
まとめ

共同監修
※ 五十音順に掲載しています。
小滝 康樹
Yasuki Kotaki
トレーナー歴 23年
鍼灸師・柔道整復師
2002年〜2024年 阪神タイガース トレーナー
2002年にトレーナーとして阪神に入団。阪神で23年間トレーナーを務め、2024年に退団。在籍期間中は3度のリーグ優勝と1度の日本一を経験。
野間 卓也
Takuya Noma
トレーナー歴 42年
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・日本スポーツ協会アスレティックトレーナー
1982年〜2024年 オリックス・バファローズ トレーナー
42年間にわたり、阪急ブレーブスからオリックス・バファローズまで、トレーナーとしてチームを支える。在籍期間中は6度のリーグ優勝と2度の日本一を経験。数々の名選手のケアを行ってきた。
弓岡 尚幸
Naoyuki Yumioka
トレーナー歴 30年
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・日本スポーツ協会アスレティックトレーナー
2005年〜2007年 広島東洋カープ トレーナー
2008年〜2014年 阪神タイガース トレーナー

※ノバセルでは、さまざまな分野で活躍する先生方の経験をもとに、参考になる情報を発信しています。